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Channel: ヨシダナギ オフィシャルブログ「ヨシダの魂、百まで」Powered by Ameba
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初 賄 賂

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アフリカを旅していると"入国の際に賄賂を要求されて足止めを食らった"という話を多々聞くのだが、
私は2011年まで賄賂というものに遭遇したことが一度も無かった。

そんな私に初賄賂を体験させてくれたのはガーナだった―――――――
私はガーナでもパスポートとVISAさえ見せれば当たり前のように入国出来ると思っていた。

しかーし!
入国審査官から「 お前のVISA、有効期限切れ! 」という衝撃の一言を投げつけられた。

私は慌ててVISAをチェックしたのだが、冷静に見ても私のVISAは切れていない。
私は入国審査官に"VISAは発行日から3ヶ月間だから今月の17日まで有効なはず"と伝えた。

だけど、入国審査間は呆れた表情で私にこう言った。
「 お前が取得したのは8月。だから8、9、10月でお前のVISAは切れてんだよ! 」

nagi yoshida - 自由奔放な女の写真放浪記 --ガーナで出会ったパワフルなお母さん

エェェェェェ‥‥!!!
もー、何でそういう数え方すんのぉぉぉぉ!?!?!このバカタレ!

「 私がVISAを発行してもらったのは8月17日なんだから9月17日で1ヶ月、10月17日で2ヶ月、3ヶ月目は
11月17日でしょー!有効期限はまだ切れてないよー!!! 」と、何度も私は審査官に訴えかけた。

だけど、それでも彼は指を3本立てて「8、9、10月!ハイ、お前終了!」と言った感じ。
終いには「 取り敢えず、お前は入国出来ないから下がってろ。他の奴の入国審査の邪魔だ! 」
などと言われ、全員の入国審査が終わるまで私はポツンと隅っこで待たされた。

( このまま帰らされたらどうしよ‥‥ココでVISA買い直せる?どうやったら入国出来る? )

そんなことを考えて不安になっている間に、いつの間にか全員の入国審査が終わっていた。
そして、例の入国審査官がニヤつきながら私に近寄ってこう呟いた。

「 入 国 し た い な ら オ レ が 助 け て や ろ う か ?」と。

もちろん私は大きく頷いた。

「 よーし、オレがお前を助けてやろう。その代わり‥‥
御礼くらい出来るよな?オレはお前を助けてやるんだから!」


遅ればせながら私はこの時、コレが賄賂の要求だということに気付いた。
( 本来なら切れていないVISAを切れていると言われた時点で気づくべきだった雫

審査官はニヤニヤしながら早く金を出せと言わんばかりに手を出してくる。
でも、こういう時に逆らったり、安すぎる金額を払うとキレられて入国出来なくなるという噂も
聞いていた私は幾らが妥当なのかが分からず、無い頭で悩んだ。
nagi yoshida - 自由奔放な女の写真放浪記 --ガーナで出会った女の子


だって、高く払いすぎるのも嫌だし、安すぎてキレられても嫌じゃない?
とは言え、見栄張って出せるほど今私お金持ってないし‥‥

そんなこんなで先ず様子見で50ドル札を手にとってチラっと私が彼の方を見ると、
彼は50ドルに目をキラキラさせていた。

( 50ドルとれたら御の字ってことかぁ‥‥それなら、50ドル以下でイケるかも! )

そう思った私は20ドル札を1枚彼に渡して、
「 財布に入ってるお金、全部宿代だから、これを使ってしまうと私泊まれなくなっちゃうの。
だから少ないけれどコレで勘弁してッ!! 」と、思いっきり頭を下げた。

少々彼は不服そうだったが、貰えないよりは良いと思ってくれたのだろう。
私は20ドルの賄賂で解放された。思ったよりも安く済んで良かったー!!
※賄賂には個人差があると思われます。

そもそも賄賂ってものがあることが気にくわないけど、
こんな無駄な時間を過ごすくらいならとっととお金を渡しちゃえば良かったなーなどと思いながら
私は荷物を受け取って、早足で出口へと向かった。

まさかの2回目の足止めが税関で起こるとも知らずに―――――――

つづく。


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