Anneとズールー族とコサ族を探し始めて4日目―――――――
突如、激しい雹に降られ、ヨシダパニック。
生まれて初めて見る雹、痛いを通り越して怖い!スンゲェ怖い!
基本的に私は走ったり、急いだりすることが嫌いだけども、流石にあの時ばかりは私も走った。
大声をあげて逃げ回るアフリカ人の後ろを私もワーワー喚きながら必死に付いていく。
そして、雹の痛みに耐えながら屋根のある建物に逃げ込んだものの‥‥
どうしよう。Anneが居ない。
慌てて周りのアフリカ人たちに"白人のお婆ちゃん見なかった?"と尋ねても誰も見ていないと言う。
ひー。初めての雹にパニック起こして、ウッカリAnneを置いてきてしまったようだ。大分遠い所に。
お婆ちゃんのAnneを一人置き去りにして逃げて来てしまったという罪悪感。
落ち込むヨシダに「 雹が止んだら一緒に探しに行こう! 」と声を掛けてくれる優しいアフリカ人。
そんな彼らと雹が止んでから急いでAnneを探しに行った―――――――
( 外でAnneがぶっ倒れてたらどうしよう。見つからなかったらどうしよう )
そんな不安ばかりが過ぎる。
近くを探してもAnneが見つかる気配が全くない。
車を停めたであろう場所を探すにも思い出せいない。
何となくの方角は分かるものの、何の目印もないアフリカのド田舎の大地。
方向音痴のヨシダには難易度が高すぎる。
だけど、流石ズバ抜けた視力を持ってるアフリカ人!
遠く離れた小さい車を見つけてくれた。それは紛れもなくAnneの車だった。
私は走った。車の中にAnneが居ることを願って。
恐る恐る車の中を覗くと、そこにはAnneが居た。
しかも、Anneは「 凄い雹だったわねー。もう何だかお腹が減っちゃってね。ふふふ 」と言って、
運転席でチョコチップクッキーをめっちゃ頬張っていた。
さっきまでの私の不安と心配は何だったのだろうか。
でも、Anneがケロっとしていて良かった。そして何よりも無事で本当に良かった。
見た目は白人と言えども、やはりAnneのあの呑気さはアフリカ人だ。
Anneのことがチョット好きになれた出来事だった。