私の1番好きな国、エチオピア―――――――
この国には家族のような友達が沢山居る。だから私はこの国が好きなのかもしれない。
今回はそんな私が愛するエチオピアで体験したことを綴らせて貰おうと思う。
エチオピアのゴンダールに行く時、私には必ず立ち寄る場所がある。
それは、TigestとMuluおばさん家( 彼女たちはバイトさせてくれたり何かと色んな経験をさせてくれる)
彼女たちの家は鶏を飼っている。
その鶏は家族同然のように部屋の中で過ごし、人間と同じようにソファにも腰をかける。
時には鶏が"お前、退け!" と言わんばかりに私の体を突く( エチオピアでの私の地位は鶏以下 )
鶏に追いやられ、居場所を失い、少々戸惑っていた私にMuluおばさんがこう言った。
「 ナギ!このニワトリを捌きなッ! 」
―――――――捌くって、殺すってことだよね?
鶏肉を食べるのは好きだけど、自分で捌いてまで食べたいとは思わないよー。って言うか、私には無理!
思いっきり拒めば、MuluおばさんもTigestも強要はして来ないと思い、拒絶していたのだが‥‥
彼女たちは許すどころか、拒む私に説教を始めたのだ。
「 ナギ、貴方がいつも食べている肉にも命があるの!命の有り難みを改めて知る必要があるの!
大人なんだからちゃんと現実を見なさい。食べるだけじゃダメなのよ! 」と。
私が駄々をこねている間にTigestが近所の青年を呼び、鶏を捌く準備が始まっていた。
※エチオピアでは鶏の首を切るのは男性の仕事なので、女性はやってはいけないらしい。
私はTigestとMuluおばさんにキッチンでホールドされ、逃げられない状況になっていた。
青年はそんな私を確認した後―――――――
ソファに座っていた鶏を手際よく捕まえて、鶏の首をナイフで殴り、鶏を地面に落とした。
それから青年は暴れる鶏に大きな金盥をかぶせ、中の鶏が大人しくなるまで見届けた。
金盥の中の鶏が大人しくなった後は"女性の仕事"ということで‥‥私の出番。
Muluおばさんに促されるがままに、私は息絶えた鶏の足を掴み、熱湯に突っ込みながら羽を毟った。
この時、私は目の前で屠殺が行われたショックと
息絶えたばかりの鶏を初めて触る気持ち悪さに半泣き状態だった。
「 こんなことを経験しなきゃならないのならば、私はもう2度と肉は食べない!食べなくていい! 」と、
彼女たちに訴えかけながら、後半はもうヤケクソで私は羽を毟り続けていた。
少なからず、羽を毟って、内臓をかき出すまでは本気で2度と肉なんて食うか!と、思っていた。
しかーし!人間というものは非常に不思議なもので、
さっきまで生々しかった鶏の死骸が徐々に捌いて行くことで、スーパーで売られている鶏肉の
切り身と変わらぬ姿になると"美味しそう"という思考に切り替わる。
そして「 2度と肉なんて食うか! 」と思っていた先程までの感情が嘘かのようにお腹が減り、
目の前の鶏肉を欲するのだ。
私は今回、鶏の屠殺に立ち会うまでは、もしも自分が動物の屠殺に立ち会ったら絶対にショックから
立ち直れなくて2度と肉なんて食べられなくなると思っていたのだが‥‥
私 は 意 外 と 早 く 立 ち 直 っ て し ま っ た( 自 分 で も ビ ッ ク リ ! )
これは食い意地なのか、それとも頭の切り替えの早さなのか、もしくは欲に素直なだけなのかは
分からないけれど、兎に角、この図太い神経のお蔭で肉食を断たずに済んだヨシダなのでした
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