「 ナギ!ヒンバだ!ヒンバが居るぞ! 」と、通訳のLesleyが突然大声を出した。
まだヒンバが住んでるエリアじゃないじゃん‥‥と、思いつつも車の外を見るとヒンバの集団が居た。
「 明日はもっと沢山ヒンバ見れると思うけど今も写真撮るっしょ?早く準備しろ!」と、張り切るLesley!
その隣でもたつくヨシダ。←ヒンバとの対面は翌日以降だと思い込んで全くカメラの準備をしていなかった。
――――――とりあえず、もたつきつつも、ヒンバにご挨拶。
なんなんだ、あの凛とした雰囲気は。
今までヒンバの写真は沢山見て来たけれども、実物の彼女たちは写真よりも遥かにカッコイイ!
これは絶対にいい写真が撮れる!だって、モデルがいいんですもの!
だから撮影は順調に行くと思っていたのに‥‥問題が起きた。
私はアフリカ人の笑顔が好き。彼らの大らかな表情が好き。
だから毎回通訳の力を借りながらコミュニケーションをとって、彼らの自然な笑顔や表情を撮って来た。
だけど、ヒンバが笑わない!
彼女たちの表情がこれっぽっちも緩む気配が無い。
勿論、彼女たちの凛とした姿も素晴らしくカッコイイから撮りたい。寧ろ、撮らせて頂きたい。
でも、ヒンバの穏やかな表情の写真って圧倒的に少ないの!
だからこそヒンバの穏やかな表情を撮りたくて私は彼女たちに会いにナミビアまで来たのッ!
ひー、でも、どうしよう。
コレさえやれば9割のアフリカ人が笑ってくれる!っていうネタでさえも、ヒンバは反応してくれない。
あまりのヒンバの反応の悪さに自信を失って黙りこくるヨシダ‥‥。
そんな私にLesleyは気を使ってくれたのだろう。
彼はギャクやジョークを飛ばして笑いを取るような回りくどいことも一切せず、ただただ切実に
" お願いだから少し笑ってくれないかな? "と、交渉し始めたのだ。
しかーし、誇り高きヒンバ族!そう簡単には笑いませぬ。
だけど笑わぬヒンバにショックを受ける私たちの姿に見兼ねた彼女たちがこう教えてくれたんです。
基本的に笑うってのはヒンバの習慣/伝統には無いから
笑い慣れてないし、笑うことなんて出来ない。と。
※勿論、個人差はあるそうです。
ひー、笑うことが文化に無いなら、そりゃ笑えないわ。
どうりで彼女たちの写真に笑顔/穏やかな表情の写真が少なかったわけだ!ヨシダ、納得!
っちゅーことで、一先ず、この場は彼女たちの凛とした姿を撮らせてもらうことにしたのだが‥‥
Lesleyがめっちゃ心配した様子で私に話しかけてきた。撮影中なのにも関わらず。
「 ヒンバがこんな感じだけど、ナギ、明日以降大丈夫か?ナギの撮りたい写真は撮れそうか?
ヒンバの中に入って行けそうか? 」と。
なーに言ってるんだよー、Lesley!
私を誰だと思ってんのー!ヨシダだよー!?大丈夫だって!絶対撮れるって!←根拠のない自信。
彼女たちの"笑わない文化"という情報には正直私もビックリしたけれども‥‥
逆に、仲良くなれた時の喜びが増すじゃないのー!
それに文化や国籍が違えど同じ人間だもの!
面白いことがあれば笑うって!仲良くなることさえ出来れば表情も穏やかになるって!
な ん た っ て 、 ヨ シ ダ に は 切 り 札 が あ り ま す も ん 。
ということで、次回!
ヨシダ、ヒンバの穏やかな表情を撮りに行きます
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笑わない文化 - 憧れのヒンバ族は笑えない? -
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